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役に立たないロボット

2015.05.01

今日もオフィスに関係ないけれど、最近興味深かったお話をひとつ。
いきなりですがみなさん、「弱いロボット」ってご存知ですか。

これは豊橋技術科学大学教授の岡田美智男氏著の本のタイトルで、
簡単にいいすぎると役に立たないロボットのことをいいます。

こちらの動画をご覧ください。



この動画の中で「Sociable Trash Box Robot」と呼ばれるゴミ箱ロボットは、
地面をじりじりと移動するだけで、決して自分でゴミを拾う機能は持ち合わせていません。

まさに役に立たないロボットです。

しかしこのロボットが目的としているのは、ゴミを拾う事でも移動する事でももちろんありません。
このロボットが目指しているのは、「人の心を動かす力」です。

従来人々がロボットに求めてきたことは、任せた仕事を完璧にこなす事。
人間の力を借りずして、お掃除ロボットは自力で掃除をし、介護ロボットは自力で介護をするというように。

これに対してこのゴミ箱ロボットは人の手を借りなければゴミを捨てる事ができません。
人に依存することを前提としたデザインなんです。

しかし動画の中でも確認できるように、全く頼りにできなさそうな雰囲気がどこかかわいらしくみえて、
それを見た子供たちも興味をもって近寄ったり、実際にゴミを拾ってあげたりしています。

一人でなにも出来ないという「脆弱さ」が人の心を動かし、人が「ゴミを拾う」という成果が生み出される事になります。

私が興味深く感じたのが、このロボットの製作者の岡田氏が言う「引き算のデザイン」。
氏は従来のロボット学者が目指してきた完璧なロボットではなく、
あえてローテクにすることで生まれる、人とロボットの関係性・可能性に注目しているんです。

これはロボットに限ったことではなく、いろんな意味で人間同士の関係でも同じ事が言えると思います。
このロボットを通す事で考えさせられることが沢山あり、とても勉強になりました。

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